28 5月

「上を見上げる者が祈りにふせる」

愛は神の意志である。愛は人間の意志である。勘違いしてはならない。ここには大きな計り知れない質の違いがある。
後者は、自分の自己満足のための愛が多い。自分の意にそわないことに遭遇すると関係がくずれる。そして、一方通行の道に迷い込み愛の迷走がはじまる。
前者は、人間の価値観にとらわれ束縛されることはない。「愛は寛容である」。とこしえにかわることのない関係の創造へと人間を導いてくれるアガぺー(無条件の神の愛)である。
前者の愛のイメージと、後者の愛のイメージが一致するように祈る。人間は信仰するしない関係なく、神のイメージに祈り、神に助けを求めて祈る局面がある。
ギリシャ語で言うところの「人間(=アンスロポス)」とは、「上を見上げる者」という意味である。
上を見上げて神に祈る人間であることを知る私が存在する。